久保 知里Kubo Chisato

久保 知里の画像

准教授

専門分野

地域史、日本近世史

担当科目

歴史学、武雄地域学、情報リテラシー ほか

経歴

福岡県生まれ、福岡大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程後期満期退学。修士(文学)。短期大学間の連携事業コーディネーター、佐賀女子短期大学を経て、現職。江戸時代の下級武士の研究をメインテーマとして、地域の歴史を研究している。北部九州の自治体史の編纂や執筆にも関わっている。著書(共著)に『福岡城〜築城から現代まで〜』、『短期大学教育の新たな地平』などがある。

自分をひとことで言うと?

食べること大好き歴史屋さん

 

インタビュー

――先生は、どうして歴史の研究者になったんですか?

この質問は、学生からよく聞かれます。実は、私が歴史に興味を持つようになったきっかけは、とても身近なものでした。小学校6年生のとき、ある漫画に出会ったのです。

――漫画ですか?

はい。幕末から明治を舞台にした漫画で、はまったきっかけは単に「推し」がイケメンでした。でも、見た目ではなく、自分はこうしたいという考え方の部分にも惹かれました。また、ストーリーの中に、当時の私が納得いかないと感じたことと同じようなことが出てきて、昔と今の差ってなんなんだろうと思ったのです。

――昔と今の差ですか。

今では当たり前だと思われていることも、100年前には常識ではなかったかもしれない。逆に、昔の人々が“当たり前”だと思っていたことが、今では全く通用しないこともある。では、今の「常識」とはいつから常識になったのだろう?そんなことを考えるようになりました。

――そこから歴史学の道へ進まれたのですね。

はい。中学・高校と進む中でも、歴史への関心は変わりませんでした。大学で学ぶうちに、人々の日常生活や地域社会のあり方に興味を持つようになりました。歴史というと、有名な人物や大きな事件が注目されがちです。しかし実際には、その時代を生きていた無数の“普通の人々”が社会を支えています。私は、「“普通”の人々は、どのように社会の中でつながり、生きていたのか」ということを研究したいと思うようになりました。

――現在の研究テーマにもつながっていますね。

そうですね。現在は、江戸時代の福岡藩における下級武士のネットワークや、明治初年の北部九州の地域社会について研究しています。

――“下級武士のネットワーク”というのは、どのような研究なのですか?

江戸時代というと、どうしても大名や有名な武士に注目が集まりやすいのですが、実際には藩を支えていたのは多くの下級武士たちでした。彼らは決して裕福ではなく、生活に苦労していた人も少なくありません。しかし、その一方で、人と人とのつながりを通して情報を共有し、助け合いながら暮らしていました。私は、古文書などを読み解きながら、彼らがどのような人間関係を築いていたのか、どのように地域社会と関わっていたのかを研究しています。

――歴史研究というと、一人で黙々と資料を読むイメージがあります。

確かに、その部分はあります(笑)。古文書を読む作業は地道ですし、最初は文字を解読するだけでも大変です。ただ、資料を読み進めていくと、そこから当時の人々の生活や感情が少しずつ見えてくるのです。たとえば、手紙のやり取りから人間関係が見えてきたり、地域での助け合いの様子が分かったりすることがあります。そういう瞬間に、「歴史の中に生きていた人々」が急に身近に感じられるんです。

――明治初年の地域社会についても研究されているのですね。

はい。幕末から明治にかけては日本社会が大きく変化した時代です。いわゆる「開国」により、制度や政治体制だけでなく、人々の生活や価値観も大きく変わっていきました。明治初年という明治になって数年の時期は、大きく国の体制が変化するなか、人びとがどうやって生き抜いていくのかを模索した時代でした。地域のなかで、武士たちは自分の居場所を確保したり、新たな生業に手をだしたりと様々に動いています。地域社会の動きから歴史を紐解くことで、より実際の人の生活が見えてきます。このように“地域の側から歴史を見る”ことも重要だと考えています。

――現在は大学でどのような授業を担当されているのですか?

本学では、歴史学の授業のほか、主に初年次教育を担当しています。具体的には、地域プロジェクト(PBL)、アカデミックスキル、情報リテラシーなどです。

――PBLでも、そうした視点を重視されているのですか?

はい。PBLでは、学生自身が地域課題について調査し、考え、提案を行います。リサーチ力(情報収集力)、プレゼン力(提案力)などの基礎を自分たちで動きながら身につけてもらいます。私の担当するチームでは、まず「やってみる」ことを重視し、わからないなら考え、調査して、人の意見を聞き、改善する。それを繰り返していきます。失敗もしながら、「やってみる」ことで、「なぜ」「どうして」を考える癖をつけてほしいです。

――学生時代はバスケットボールをされていたそうですね。

はい。中学から大学まで、ずっとバスケットボールをしていました。

――かなり長いですね!

そうですね。大学では、週2回しかしていませんでしたが、練習はしっかりしていました。継続して何かに取り組む経験は、今の教育や研究活動にもつながっているかもしれません。ただ、最近はすっかり運動不足です(笑)。「何か運動しないといけないなぁ」と日々思っているのですが、なかなか実行できていません。

――最後に、これからの目標を教えてください。

これからも、地域社会の歴史を丁寧に掘り下げながら、「人々がどのようにつながり、社会を作ってきたのか」を考えていきたいと思っています。また教育の面では、学生たちに“考える面白さ”を伝えたいです。一つの価値観だけにとらわれず、さまざまな視点から物事を考える力が必要だと思います。その力を、大学で伝えていければと思っています。

 

武雄の印象

宿場町。

 

趣味、特技、マイブーム

おいしいハンバーグとチゲと冷麺を探すこと

 

好きな言葉や信条

なんとかする

 

愛読書

SLAM DUNK

 

研究者情報

https://researchmap.jp/chisato_16